2012年9月14日金曜日

第28音 観世音寺の鐘

2011年11月18日正午過ぎ、こぬか雨降る太宰府に、我々風夫婦は立っていた。
世に名だたる太宰府天満宮に来た、というわけではない。
数多の参拝客を尻目に我々が向かったのは天満宮のほど近くにある観世音寺。
そう、日本音風景100選のひとつ、観世音寺の鐘の音を聴きにきたのである。

なぜ18日か、というと、環境省のホームページに、毎月18日の午後一時に、観世音寺の鐘が打たれる、とあったからであった。

参照

この記述をみて、太宰府に18日に来れるよう、ツアーの予定を組んだのであった。

早速、観世音寺の境内を散策する。
何故かろくな写真がのこってない。

なぜぶれている。



道はぬかるんでいる。



ありました、梵鐘の看板。

しかし、肝心の梵鐘の写真がない。
なぜだろうか。

確かにそこに梵鐘はあったのだが。


まあ、そんな風に散策を繰り返していると、いよいよ午後一時が近づいてきた。
我々は梵鐘の前に陣取り、おそらく向こうの事務所と思われる建物から人が出てきて、鐘をついてくれるのだろうと思っていた。

一時になった。
誰も出てこない。

おかしいな?
雨だから、突かないのかな?
それとも18日じゃなかったっけ?

いや、確認しても18日である。
間違いなく、今日だ。


というわけで、事務所らしき場所に言って、ことの次第を確認する。




私「あの〜、18日の午後一時に梵鐘が突かれると聴いて、その音を聴きにきたんですが...」

事務所の人「へ?そんな決まりはありませんよ?」

私「へ?いや、確かに、環境省のホームーページにはそう書いてあるんですが」(といってホームページをみせる)

事務所の人「確かに、書いてありますね...ちょっと確認しますから、お待ち下さい」

(事務所の人、どこかに電話している。3分くらい、待たされる)

事務所の人「お待たせしました。確かに、過去にはそういうこともあった、とのことですが、今はついていないそうです」

私「ついてない!?ということは、音は聴けないんですか!?」

事務所の人「はい、すみませんが、音は聴けません。ですが、上の部屋にて、テープで録音したものなら流れてますよ」(ここは観世音寺の宝蔵庫であった)

私「テ、テープですか!?」

事務所の人「はい、入場料は500円です」


ここまで来て何もせず帰るのはいかがなものかと、500円払って、テープの鐘の音を聴いたのであった。

その音は確かに悪くはなかったが、いかんせんテープである。。。



その日の嫁日記はこんな感じだった。






それにしても、がっかりである。
またか、の思いであった。

日本最古の梵鐘である、そう頻繁に突くのは保全の観点からもよくないのであろう。
確かに情報も古かろう。音風景が策定されたのは、1998年のことである。

しかし、である。
少なくとも、ホームページの情報更新くらいはすべきだ。

私は激怒した。

観世音寺の鐘の音だけではないのだ。すでにこの世に存在しない音がいくつかある。「残したい」と銘打っておきながら、まるで残す努力のかけらすら見つけ出すことができない。なんのための、音風景100選なのか。ふざけるんじゃない。我々は、これみよがしにやっていると見せかけているだけのことのために、予算消化のために、血税を払っているのではない。

ぷんすかものである。
もーやんなった、ばかばかしい、こんな企画やめてやる!!!!


ここに来て、音をあつめての企画が危機に直面したのであった...


[音風景データ]
「観世音寺の鐘」
採取した日:2011年11月18日
場所:福岡県太宰府市観世音寺
採取難度:なし

聴き方:聴けません。テープなら聴ける。

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